私どもグラムエンタープライズが最も得意とするのは、お客様のご希望に応じた剤型、感触を持った処方を短期間で開発することです。

化粧品の価値は効能・効果などの機能面だけではなく、使い心地などの官能面に大きく左右されます。消費者は化粧品の機能面と感触が調和していることを無意識に期待します。うるおいを訴追した商品ならば水をイメージさせるような使用感を期待しますし、肌のハリや弾力を与える商品ならば塗布した際の製剤の弾力感が効果実感につながります。

では、化粧品の感触は何に依存しているのでしょうか

多くの化粧品、特にスキンケア商品に多用されているのがエマルジョンです。エマルジョンのうち流動性があるものを乳液、半固形状のものをクリームと一般的に呼んでいます。エマルションは油分と水分を同時に皮膚に与えることができます。また、水溶性成分、油溶性成分・粉体等を同時に配合することができ、スキンケア製品には非常に有用かつ不可欠なものです。

では、乳液やクリームを塗布した際、皮膚の上ではどのように変化していくのでしょうか?乳液やクリームを塗布するときは、まず乳液やクリームを肌の上にのせ、指先を使い一定時間肌の上で伸ばしていきます。その間に油分が徐々に角質層に浸透していき、水や水溶性

成分は一部が角質層に浸透し、一部が蒸散していきます。最後にエモリエント層が皮膚の上にできます。この一連の流れの中で人は「伸びがよい」「コクがある」「リッチな感触」「ベタつかない」などといったことを感じます。

この感触に影響を与えるのが「乳化系」「油性成分」「水溶性高分子」「ポリオール」です


それぞれの要素に様々な選択肢があります。

乳化系 転相温度乳化、ゲルネットワーク乳化、高分子乳化、D相乳化、W/O乳化など
油性成分 炭化水素類、エステル類、植物油、シリコン類など
水溶性高分子 主な使用目的(増粘・ゲル化剤、皮膜形成剤、保湿剤)によって天然系・合成系多種あり
ポリオール

BG、グリセリン、DPG、PEG、糖類など


では、これらをどのように組み合わせるのでしょう?

通常、マーケティング部門などの製品開発担当の方は化粧品を塗布した際の評価を「浸透はよいが物足りない」や「軽くて伸びが良いがスルスルし過ぎ」などと言った言葉で表現されます。お客様が望む感触を持った化粧品にするためには、表現が意味するところを科学し、化学に変換する必要があります。「浸透はよいが物足りない」というのは経皮吸収性が良い成分を使いすぎているのかもしれませんし「スルスルし過ぎ」というのは使用している高分子が適切ではないのかもしれません。

では、単純にある成分の配合量を変化させればいいのでしょうか?化粧品は複雑に成分が交じりあっており、相互に作用を及ぼしていることも多いため簡単ではありません。

当社では基剤から有効成分にいたるまで幅広い原料知識、製剤開発の長年の経験がを有しております。さらに皮膚科学の知識を応用し、お客様の望まれる剤型・感触を持った化粧品をスピーディーに提案することが可能です。

また、ご要望に応じた製剤を最短で提供できるよう、感触に影響を与える新原料を日本国内だけではなく世界中から常に探索しています。さらに新しい感触を得るために独自原料も開発しております。

エマルションの感触を機器(レオメーター)にても評価し、感触評価においても期間の短縮化を図っています。

もちろん、ご提案させていただく製剤は感触だけではなく、製品の大切な要素である安定性も考慮しております。通常、エマルジョンは感触を重視すると安定性が悪くなる傾向があります。私どもは、安定性を確保しながらよりよい感触を得る製剤化技術を保有しております。さらに安定性評価にも機器(ハレーションビデオマイクロスコープおよびDualCon™)を使用し、評価期間の短縮化にも努めています。


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